流れる水のように。


私たちに、決まった型は存在しない。

ここで得た多くの学びは、
分野の壁を打ち砕き、
より大きな学びを生み出す。
私たちは自分を決めてしまう型を作らない。

それはまるで、水のように。

カタチをもたない水は、
じっくりと岩を削り、流れを生み、
大地を潤し、実りを創る。
水が生み出すものは、人を潤し、
生きる力をも与える。

私たちは、流れる水のように
変化する存在として、世界のどこかで、
時間をかけながら流れを作り、
人々の感性に共鳴し、
心に沁みてゆく存在でありたい。

視覚伝達デザイン学科の卒業制作を特徴付けているものは、その領域の広さです。基礎教育での「デザインとは何か」という問いから始まる本学科の多様なカリキュラムの集大成が卒業制作なのです。個としてのデザインに対する動機、テーマや対象へのリサーチを通した理解と愛、それらをあるべき形に変換する表現における技芸、それらが統合された意欲作が今年も展示されています。加えて私たちは、学生に更にもう一段高いレベルの達成を期待しています。それは「自分の作品に対して、その評価を最終的に自らが行えるようになる」ということです。これはある意味ではとても難しい。おそらく現時点での彼らの正直な感想は「今、自分の作品に対して客観的に見ることなどできない」ではないかと思います。

しかしこれは何も今すぐでなくても良いのです。成功であれ失敗であれ、真摯に制作に取り組んだ学生にとってこの経験は卒業後、何度も想起することになります。ここで発見され培われたテーマが、羅針盤のように彼ら自身をこれから10年、更に20年という長い時間の中で自らを導くものであってほしいというのが私たちの教育目標なのです。

グローバリズムという勇ましい掛け声とは裏腹に、止むことのない宗教や国家間の対立、テロリズム、経済格差、環境問題…、世界は不安定の度を強めているように見えます。美(=美しいこと、正しいこと)とは何か、それをどのように実現するか(=デザイン)。この世界では我々教員も学生も、その問いを共有しているのです。

視覚伝達デザイン学科主任教授 寺山 祐策

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