昨年度から引き続き、新型コロナの感染状況に影響を受けつつの1年ではありました。今年、僕は自分のゼミを持っていなかったのですが、何人かの学生と話していると、この状況を逆手に取って今だからこそ出来ることをカタチにしようと、柔軟に思考しつつも挑戦的で前向きな姿勢を感じました。この原稿を書いている時点ではまだ未知数なところもありますが、皆さん各々が納得しうる限界ギリギリまで突き抜けられることを願っています。
いよいよ皆さんは卒業していきますが、将来は「好きなことをしたほうがいい」とよく言われたりします。その前に、自分の本当に好きなことは何であるか、それを確実に見つけるのが今は大変なのかもしれません。それだけ選択肢が増えていて、さまざまな事柄が複雑になっているし、ひょっとしたら無理に見つけなくても良いのかもしれません。ただ、少なくとも興味の「種」のようなものとは既にムサビで出会っているはずです。どんなに小さくても大事にしてください。思いがけないところで芽が出て、未来の自分を救ってくれたりします。
落ち着いたらまたゆっくりと、ムサビでの日々を回想してみてください。きっとそこには、笑い合ったことや課題に泣いたこと、苦しんだことも楽しかったことも、全部ひっくるめて豊かな出会いが沢山あったと思います。今後も出会いを重ねながら、誰一人として同じではない、皆さんそれぞれの未来を歩んでいってください。