西本 企良
コロナ後の社会にむけて
私は今年度でムサ美を退職することになっていて、皆さんは、私にとって1年生から4年生まで付き合った最後の学年になります。入学式の時に「この子たちと一緒に学校を去るのだな」と思いながら皆さんを眺めたことを思い出します。
その当時は想像もできなかったことですが、皆さんの二年次が終わる頃にコロナのパンデミックが始まり、とんでもない状況になってしまいました。以来、三年次、四年次と大変不自由な学生生活になってしまったことは本当に気の毒に思います。
しかし、そんな状況下でも、オンラインでの授業に必要なスキルをいち早く身につけ、授業の中でそれらを活用していく様子を見るにつけ、皆さんの対応力、柔軟性の高さに感心したものです。コロナ禍は大変な災害には違いありませんが、一方で社会の歪みや弱点が露呈し、ネットを使った様々な技術が発展した非常に特殊な時期でもあります。たぶんコロナ後の世界は、それ以前とはかなり違った様相を帯びることになるでしょう。これまでの常識も通用しなくなるかもしれません。皆さんには是非コロナ禍での体験を記憶し、それらをポジティブにとらえて、社会に出てからの活動に活かして欲しいと思います。新しい社会では、皆さんの柔軟な発想力や行動力が期待されています。