痕跡
山田 風
イラストレーション|絵画
石塚ゼミ
8号館206A
痕跡とはどこにでも存在する。
机の上の落書きやドアノブの手垢、壁についたボールの跡など多種多様至る所に存在する。 そうした痕跡を単なるインデックスや記号として捉える前にそこに含まれる過去の情報、残された経過を考えることにより、見過ごされていた意味を読み取ることができるのではないだろうか。 痕跡は私たち人間一人一人の動きに対応しその形を変え、またある時は人の意思によって変化する。 痕跡の向こう側に存在した動きを感じた時、過去と現在の時間関係を超えて静的ながらにして動的であるという錯覚が生まれる。 その時単純な記号やインデックスとしてでも、過去の動きを読み取ることのできるマテリアルとしてでもない"痕跡"というものそのものが見えてくるのではないだろうか。