あなたの肌 は あなただけの肌
河北 瑠慧
インスタレーション|立体
古堅ゼミ
8号館206A
生物である以上生まれ持ち変化していく容姿。中身を入れる器でしかないくせに生まれ持つ容姿は選べないし死ぬまでを共にする。人は見た目じゃないというけれど肌には確かに歴史が刻まれていて、身に纏うものが人の一面を映すこともあるだろう。外見を変化させ憧れに近づくことに、私は小さい頃から心を躍らされた。一方でそれはコンプレックスを隠す行為でもあり、自分はルッキズムの一端なのではという違和感も抱えてきた。
生まれた瞬間から人は周囲の影響を受けて価値観を構築していく。この作品ではそんな構築された美的価値観から離れて人間の容姿を観る体験を試みた。人間の肌を人間でないものに当てはめた時、何を感じるだろう?価値基準というものは実に不確かだ。人はもっと自分の見た目を自分だけのものにしていいと思う、と、誰よりも私自身に伝えたい。外見が壁を作るのではなく、人を繋いだり本当の自分に近づくものになれば良い。おしゃれや美容が自身や誰かを傷つけるナイフとならぬよう考えるきっかけになれば幸いだ。