演じる話者たち―パブリックスピーキングにおける話者の演劇性―
熊本 幸子
ダイヤグラム
中野ゼミ
8号館210
本作品は、パブリックスピーキング(スピーチやプレゼンテーションなど、人前で喋ること全般)における「話者の演劇性」をテーマにしている。
きっかけは私自身の経験だ。小中高は演劇部活動に熱中していた私は、人前で喋ることが大得意だ。今でも、作品プレゼンの面白さ・分かりやすさには定評がある。歴史的に見ても、巧みなスピーチはいつの時代も社会を動かしてきた。ヒトラーは演説を通して国民感情を動かし、スティーブ・ジョブズはプレゼンテーションで新製品発売を鮮烈に印象付けた。
では、人々を惹きつけるスピーチの共通点とは何か。リサーチの結果見えたのは「話者の演劇性」である。不特定多数の聴衆を前にした時、話者はまるで役者のように表情を変え、声に抑揚をつけて聴衆の関心を途切れさせないよう工夫しているのだ。作品ではこの話者のパフォーマンスを細分化し、体系的に再構築することで演劇性の可視化を試みた。