魂の包摂
三浦 一真
立体
古堅ゼミ
8号館215
私の卒業制作はまず、マルクスの資本論についてリサーチすることから始めました。現代の日本の働き方や、物の消費の仕方に疑問を抱いたからです。いつの時代になっても無くならない過労死や、巧妙な広告で売り出される無意味な商品。一見豊かに見える現代の私たちの生活様式には、どこか欠陥があるように思えます。
また、資本論のリサーチを進めながら同時にお金とアートの関係についても調べました。それらは切り離せない物なのだろうか、と疑問に思ったからです。そしてその関係について調べていく中で、非常に高額で取引されている現代アート作品があり、なぜこんなにも高額なのだろうかと、次第に現代アートに興味が湧いてきました。詳しくリサーチしていくと、現代アートには似通ったいくつかの制作動機があるということが分かります。そのうちの1つである「現実性と政治について」はまさに私が感じている問題を提起するのにうってつけの動機でした。私は現代の資本主義の問題点を、現代アートとして見る人に突きつける事にしたのです。