夢地図
五十嵐 愛実
本|ポスター
白井ゼミ
12号館地下展示室
人は人生の約3分の1の時間を睡眠に費やしていると言われている。そんな膨大な時間の中で、唯一経験として得られるものが夢である。
夢の記述の歴史は古く、太古から現代にかけて文学や芸術、科学など様々な分野で人々の関心を集めてきた。私もまたそのうちの1人だ。 夢を野放しにせず有効活用してみたいと思い立ったことが、テーマとして取り組むきっかけとなった。
緊急事態宣言下、ほぼ在宅であったが、夢の舞台には学校がよく選ばれた。不思議なことに大学は一度も登場せず、小中高の景色が頻繁に現れた。 そんなことが続き、次第に私は夢の場所性やそれに作用する人の環境・行動に基づく心理に興味を持った。夢の地図の描き出しを行い、それらの関係を探っていった。
昨今、夢の話は私的で脈絡のないつまらないものとする風潮にあるが、夢に意味を見い出しコミュニケーション手段として活用してきた先人達の夢への熱心な態度のように、 この作品が少しでも誰かの興味や夢の共有のきっかけになれば嬉しい。