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身体運動による視覚効果の再現
大石 陽菜
立体
中野ゼミ
9号館地下展示室(大)
「透明フィルムに直線を10本並べて引いて、斜めに折り返すと格子状になる」
この当たり前の事が、1年前の私には大発見のように思えました。半分に折り返すと綺麗な一本線に、少しずらして折り返すと菱形に、さらにずらすと正方形に近い形に変化します。
この現象を、印刷などで生じる規則正しい繰り返し模様を複数枚重ねた時、それらの周期のズレにより視覚的に縞模様が発生する「モアレ現象」の応用として位置づけし、2枚の印刷したフィルムを手で操作して浮かび上がる視覚効果を観察しました。すると操る人の手に反応し、まるで演舞のようにつぎつぎに姿形を変えてみせ、キネティック・アートのような魅力を感じました。
「手以外の身体運動を利用するとどんな不規則な動きが加わるのか」ということに興味を持ち、本作は衣服を媒体とした人為的操作の及ばない視覚効果の再現をテーマにしています。ウェアラブルな素材を使って制作し、この現象について探究しました。