ダメージを写す
小松崎 美怜
グラフィックデザイン|ポスター
中野ゼミ
9号館地下展示室(小)
私は『特定の言葉』でしか表現・伝達できない「心的ダメージ」という感覚を、一般化し、他者へ視覚的に共有できるようなポスターを制作した。
きっかけは世の中で起こる「心的ダメージを感じる事」を一概に「〇〇ハラスメント」「いじめ」などの言葉で括ることに違和感を覚えたからだ。
そこでまず、複数の当事者へのインタビューを通して、「心的ダメージ」は「集団への所属」などの外的要因や「自虐的思考」などの内的要因が入り混じった構造である事を理解した。
それらを、「ダメージを感じた人視点」で思考できる構成にする事で、より当事者意識を持って向き合えるのではないかと考えた。
以上を踏まえ、「ダメージを感じた人の心のカタチ・目にうつった情景」を視覚化した。視覚化するにあたって人体のカタチを「変形」によって意味化し、ダメージの種類・当事者の置かれた環境・立場の三つの視点からポスターに落とし込んだ。