心理的なスイッチ ー切り替わりを楽しむー
猿渡 千怜
本|インスタレーション|立体
中野ゼミ
8号館218
子どもの頃からスイッチが好きだ。バスの降車ボタンをどちらが押すかで妹と喧嘩した記憶もある。私はスイッチの何に魅力を感じているのか知りたいと思い、卒業制作のテーマに選んだ。スイッチの魅力を調査・分析するなかで「押す動作」ではなく「切り替わりによる変化」に驚きと喜びを感じていることに気付いた。それは、物理的なスイッチに対してだけでなく物語や体験でも同じだ。例えば、どんでん返しの物語には視点の切り替わりが存在する。これもスイッチだと捉えた。私はこの切り替わりを「心理的なスイッチ」と名付けた。そして、これらを体感できる作品を制作した。パターンが動く方向を切り替えると、図と地が入れ替わって見える装置だ。光とフィルムを使用し、補色の関係にある色が組み合わさると暗い影になる現象を用いた。また、全ての装置を順番に操作すると物語になり、逆の順番から操作すると別の視点からの物語に切り替わるのだ。ぜひ、「心理的なスイッチ」を体感して欲しい。