地獄めぐり2021
鈴木 里菜
イラストレーション|本|グラフィックデザイン
寺山ゼミ
8号館212
当初お盆文化に興味を持ち、次第に仏教視点から考えられた死後の世界の構造や表現に魅了され死後の世界をテーマにしました。我々の地獄のイメージは、昔に描かれた地獄絵が影響を与えていますが平安時代における地獄行きの罪と現代における罪は大きく変化しました。それに伴い地獄も罰の与え方が自動化などあらゆる変化をしているのではないかと考えました。自分が死ぬまで地獄を目にすることはできませんが想像を膨らませて、現代の罪に対応した2021年の地獄世界を多くの罪と向き合いながら作りました。
地獄を描いた1年間でしたが、制作中の秋に大好きな祖母が亡くなりました。私が生まれてから23年間、愛して可愛がってくれた彼女へ恩返しと言うには到底足りませんが感謝を込めた贈り物として、彼女のための極楽も1枚描きました。現世にいる私達の想いや供養で地獄を免れたりするようですから、この作品で亡くなった方が今何をしているんだろうな、と思い出すきっかけになってくれたら嬉しいです。