視線を合わせる
竹内 菜々子
イラストレーション|本|絵画
寺山ゼミ
8号館221
どうしていいのか分からなくなったとき、最悪な気分のとき、叫びたいとき、私は歩く。

取り敢えず部屋を出て、外へ出る。
空、風、空気の匂い、風に揺れる、季節、声、会話、気温。自分の足音と呼吸にひっついて流れて忘れる。忘れてしまう。

アパート、マンション、戸建て。全ての部屋に人がいて生活をしているのが怖い。電車に乗った時、隣に座る人。この人にも考えがあり、思っていることがある。でももう会うことはないな。不思議で怖い。
この2年、毎日最悪な気分が底に付いて回る。楽しくても楽しくない。考え込む時間が増えた。1人の時間が増えた。


歩いて少し平にする。

私が見ているもの、そこにあったこと。そこにあった全てから私が見たこと。色、線、景色。
絵を描いた。私の絵。私を表す、現れた。初めての画集。