「人魚になりたい」
卒業制作で幼少期の夢を叶えた。
美術科のある高校を卒業した。当時の卒業制作も人魚が題材だった。まさか人生で2度も人魚をテーマに作品をつくるとは思わなかった。
「人魚になりたい」幼少期の夢にかなり執着していたことに自分でも驚いた。海が好きで水族館の年パスを何個も持ち、ダイビングのライセンスを取り、海水魚を飼育し。学科の課題でもキャベツウニを飼育したり投影アクアリウムを作ったりと海に関係する作品が多かった気がする。
そんな私が最後に作るのは、大好きな人魚が大好きな水族館にいる姿だ。
大きい水槽を学校に搬入して、展示期間中泳ぎ続ける展示が現実的ではないとなったあと、どうすれば自分の目指す物に近づけるのか試行錯誤だった。何度も人魚になったし、沢山魚を見た。
体験や観察からなる私なりの人魚と展示空間が、誰かの心にもドキドキやワクワクを残せたら嬉しい。