超ケ―日常の奥にあるもの―
中村 美優
本|ポスター
北崎ゼミ
10号館312A
日常、ケとは何か?
日本に古来よりあるハレとケの概念。特別なイベントや年中行事がある日を『ハレの日』と言うのに対して、それ以外は『ケの日』、つまり人生の殆どは『ケの日』なのである。 それが感染症でガラッと変化したのを機に、私は不確かである日常の形について興味を抱き、日常を多く過ごす空間を調査した。
今や多くの人の日常の基盤となっている自宅の部屋。 数々の部屋を探訪していくと、そこには住人の視界に入ってはいるが当たり前すぎて気にしない、日常の階層の奥へと行ったもの=ケを超えた『超ケ』のものが存在していた。 机の片隅に放置された小銭、玄関ドアに蓄積された水道屋のマグネット、棚の奥で少しホコリを被ったあの日の記念品…。超ケにはその人の行為の軌跡、凝縮された日常の形が詰まっているのだ。
超ケのものは、どんな部屋にもきっと存在している。この作品を見て、自分の日常の形を考えるきっかけになればいいと願う。