まなざしの旅
濵口 雄大
イラストレーション|絵画
寺山ゼミ
8号館218
これは私のまなざしの共有である。
どこにでもあるものであり、いつも視界に映る物である風景。私たちはそこに居るが故に見慣れて見えなくなってしまう。
しかし、それは常に変化しており、一歩離れたりそのときの快・不快や状況など受け取り手によっても表情を変える。

私は様々な風景を探し求めて、東京から三重県伊勢市にある伊勢神宮まで歩く9泊10日の旅に出た。
時に炎天下のなか永遠のように続く道を歩き、熊が出るという山を超え、海風荒れる橋を渡ってきた。命の危機を感じる瞬間もあったが、それを乗り越えて出会った景色はどれも新鮮で美しかった。
旅は見慣れてしまった物を改めて見直すことが出来る。知っている物も知らないように見えたりする。慣れた目を新鮮に戻し、そうしたまなざしでの発見の連続だった。
私のまなざしを通して、風景を探すこの旅を追体験して貰えると幸いだ。