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memento mori
濵田 優
イラストレーション
寺山ゼミ
10号館310
私はいずれ死ぬ。
様々なことが日々変わっていくこの世界において変わることのないであろう事実である。しかし、この不変的事実を自らが経験できるのは一度きりであり、これについて考えるには他個体の死に向き合うほかない。
そこで私はこの1年以上の期間、生物の死骸を観察し、ドローイングを行ってきた。 どこからか現れた蛆によって死骸は崩壊し、悪臭を放ち、やがてその身体に静寂を宿す。とてつもないエネルギーを孕んだ現象だが、これらは私たちの身体に起きていることの延長に過ぎない。 同様のことが今まさに体内で起きており、また、死んだ肉体を養分に新たな生命が生まれることを考えると、大きな循環の中に自分自身がいることを実感する。そして、自らが死に向かっていることを知る。
死という現象を理解できたとは毛頭思わない。しかし、感じることのできたものは確かに存在する。これは死の姿を徹底的に観察し、感じた事を丁寧に記録することに挑戦した作品群である。