アルバート・ウェイマーの手記―幻想世界の民俗学を綴る―
前田 智美
イラストレーション|本
寺山ゼミ
10号館305、306
『"アルバート・ウェイマー"。現代において、人々が彼の名を語る時、この名を空想の詩人の事である、あるいは特定宗教の信仰対象であるともいう。 それは彼の残した偉業が時を経て、虚構を織り交ぜられ、信じがたい説話になっていったからだ。ウェイマーの生きた年月について確かな記録はない。 最初の手記は15世紀に始まり、筆跡の疑わしいとされている新しい物は18世紀に飛び、発見されているものは数十篇に渡る……。』
現実にある未知の文化に触れた時、私は幻想世界への入り口に立っているような高揚感に襲われます。 未知への畏怖や好奇心、この湧き上がる感情こそがロマンと言われ、ファンタジーは楽しまれてきました。 薬学の知識が魔術と言われていた時代のように、私にとって見方を変えれば現実と空想の世界は表裏一体でありとても近しい存在なのです。