美騒音
三谷 沙織
映像|インスタレーション
古堅ゼミ
10号館308
音は聞く人や聞こえ方によって、綺麗な音にも騒音にも変容する。 たとえば、隣の家のピアノの音はミスがあると心地よい音楽が分断された気分になるし、朝方に聞く鳥の美しい鳴き声は夕方になると巣に戻った鳥たちの大合唱により素敵な歌声とは言えない音になる。 私は、このように受け取り方が変容しても、どちらも同じ音であることに興味を持った。「うるさい、不快亅と思いながらも、何の音かを無意識的に理解していることが多いだろう。
可視化表現を探る中で、立体物の展開図がふと頭に浮かんだ。展開図と出来上がった立体物も同じ物だと理解していても印象が異なる。
私は今回取り上げているテーマとの共通点を感じ、音が変容する様を映像表現で可視化した。きれいな音の時はかっちりとした形で表現し、騒音に近付くと展開しバラバラになるというルールに基づいている。この作品を通じて、その音がどの場面の音なのか、わずかに感じる音の情報を想像してほしい。