神話における植物と信仰
山﨑 三冬

白井ゼミ
8号館206B
植物は太古より人の生活に深く関わってきた存在です。日の光を浴びて生き生きと育つ植物は、人間にとって生命の象徴、日々の糧、心の安らぎであり続けました。 やがて植物は、衣、食、美術、学問、習俗、あらゆる文化の素材となりましたが、その奥には変わらず人の信仰が息づいています。
世界各地の植物信仰、ひいては植物を素材とした文化には、異なる環境下ゆえの差異がありつつも、時や距離を超えて通底する思想があります。 そのため、植物に何を見出すかという普遍的な意識が人間にあるのではないかと私は考えました。
その相似及び相違を考えるため、私は文化群の中から、植物信仰の一端、かつ象徴として神話を取り上げました。 日本神話の植物に関する表現を抽出し、それらを中心として植物の種類や状況に共通点が見られる世界各地の神話に紐付けることで、 植物信仰における環境ゆえの差異そして環境を超える共通性を探りました。