今年も学生たちの仕事は素晴らしく意義あるもので、新たな知や人との出会い、高い視座から見た構造や関係の発見がありました。
さて、4年生の目標は「個から社会へ」です。それは、個の感覚によって知覚され生まれた意図を、他者に伝え影響を作り出すこと。つまり、自分の考えをかたちを通して世界に表明することであり、かたちがある分デザイナーは、自然、都市、環境、文明、文化のあり方を直接的に操作することになります。私は、この役割を担う人がどうあるべきなのか、ずっと考え続けています。これまの経験で手に入れた、私のとりあえずの答えを紹介します。
まずFreedom( 自由 )。デザインプロセスにおいて判断をする際、正しい決断を狂わす外部の力学から自由でいること。次にResponsibility( 責任 )。デザインにおける各判断によって引き起こされるすべての結果を、完全に受け入れる覚悟をすること。それからAuthenticity( 本物でいること )。世界で唯一の自分を正直に表現し、独自の方法でこの世界に貢献すること。あなたが「自由」であるとき、あなたは「本物」として振る舞うことができ、そして「責任」を果たすことができます。でもそれらは、「従順さ」「無関心」「ふりをすること」によって簡単に妨げられてしまいます。
皆さんのこの先のデザイナー人生が、充実したものとなりますように!
北崎 允子
KITAZAKI MASAKO
インタラクション・デザイン
武蔵野美術大学 造形学部 視覚伝達デザイン学科
@2023 Musashino Art University Department of Visual Communication Design