Illustration, Book design10号館414教室

爆弾に傘をさしたおばあちゃん

加藤 あい 中野ゼミ

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爆弾に傘をさしたおばあちゃん

加藤 あい 中野ゼミ

一昨年、曽祖母が108歳という大往生で亡くなった。曽祖母が大事に残していたものの中に焼夷弾のおもりがあった。曽祖母はそのおもりを使って傘の修理で商いをしていたという。その話をきっかけにして曽祖母のこと、戦争のこと、歴史、文化、地域、へと興味を広げリサーチを重ねていった。そこで私が伝えるべきだと感じたことは、大正、昭和、平成、令和と100年以上生きた女性の人生と未来に繋げようとしたおもいだった。 この作品は曽祖母が生まれてから、目まぐるしく変わる世の中で懸命に暮らし、その中でも変わらぬおもいが私に繋がっていくまでを絵本で表現している。この作品は彼女が伝えようとしたことが未来を生きる私にまで伝わったという証明であり、私の曽祖母へのメッセージである。また、これから先を生きていく人に伝えようとする作品でもある。 連なっていくイメージのディティールを私がリサーチで見てきたもの全てが補完していく感覚があり、リサーチ自体が私が彼女と繋がるための必要な過程になっていたことを実感した。制作においてリサーチなくしてアウトプットには辿り着けない、とその奥深い関係性を改めて考えることになった作品だった。

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