Graphic design9号館ゼロスペース

ヘルプマークが生み出したスティグマ

箱崎 愛華 寺山ゼミ

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ヘルプマークが生み出したスティグマ

箱崎 愛華 寺山ゼミ

「これ、なんのストラップ?」と友人から聞かれて誤魔化した。チラチラと見られているような気がして目を瞑る。「走れる人は不正利用している」とSNS上で目にして隠すようになった。仕事終わりで疲れているだろう女性が席を譲ってくれて心が温かくなったこともあったが、周囲の人との見えない壁を感じ続けて息苦しくなった結果、持ち歩けなくなった。

必要とする誰もが持つことのできるヘルプマーク。普段は支障なく生活できるが股関節に持病がある私も、18歳の誕生日を機に母から勧められて持ち始めた。

日本は障害の理解促進や差別解消のために多くの施策を行なっている善意に溢れた社会であるが、このマークを持つべき人が持たないと選択することが増えている。そのようなギャップがあるのは、障害に対する理解以上にその人に対する「障害者」というラベルをマークが生み出しているからである、ということに多くのリサーチを通して気がついた。

福祉のマークの現状、そして利用者と周囲の声をきっかけに、本来はコミュニケーションツールとなるはずのマークに対する意識が変わるきっかけになるといいなと思っています。

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