Animation, Receipt paper10号館306教室

Insight

贄 杏花里 寺山ゼミ

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贄 杏花里 寺山ゼミ

例えば死、宇宙、他人、時間。私たちの周囲は理解できないもので溢れている。己がいつか死ぬこと、なぜか宇宙が無ではなかったこと、宇宙の果てがどうやら見えないこと、己と同じように存在するはずの他者、今も流れているらしい時間。それらすべてへの漠然とした疑問は、ほとんどの場合、日々の生活に追われて次第に忘れ去られてしまう。 哲学者の永井均は、それらの問いを忘れない。また、答えも出さない。彼はただひたすらに問いの輪郭を抉り出していく。なぜなら、この問いに答えを出すことは不可能だからだ。答えを出したように見える学問はすべて、ことごとく問いの核心を損ねている。 本作品は、永井均の著作「翔太と猫のインサイトの夏休み」からの引用と、それに対応する私のコメントとアニメーションで構成される。また、鑑賞者は自身の操作によってそれらをレシート用紙に印刷し、持ち帰ることができる。 世界には永井均に出会うべきいくつかの人々がいる。あなたがその一人に突然なる可能性に、私は常に賭けている。

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