Movie, Painting, Book design10号館112教室

柳沢版〈Il Libro dell’Arte〉

柳沢 歩 寺山ゼミ

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柳沢版〈Il Libro dell’Arte〉

柳沢 歩 寺山ゼミ

チェンニーノ・チェンニーニは14世紀末ごろを生きたジョット派の画家である。彼の素性についてはよくわかっておらず、作品も残っていない。チェンニーニの名が現代まで伝わっている理由こそ、彼の手によって1400年ごろに画業の手引書として書かれた〈Il Libro dell’ Arte〉である。

〈Il Libro dell’Arte〉の特徴は、その説明が懇切丁寧であり、内容は画業に対する心構え、生活の知恵、練習法、画材、技法、型取り法など多岐に渡り非常に細かく書かれていることである。初の刊行本である1821年のタンブローニ版から現在まで、翻訳版や改訂版を含めると約40種類が出版されており、日本語版では1964年の中村訳と1991年の辻訳の2種が出版されている。

はじめに〈Il Libro dell’ Arte〉の歴史について調べ、書の独自性を探った。卒業制作として、辻訳をベースにテキストを編集、注釈や図版を加えたものを制作し、過去に出版された翻訳版、写本と並置した。また書の技法を再現し成果物を展示することで、書の内容に加え、その歴史や背景を視覚的に表現することを試みた。

柳沢版〈Il Libro dell’Arte〉
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