Graphic design, Illustration, Book design12号館地下展示室

『模倣――その本質と表象、変容と回帰』

韓 宇佳 大学院

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『模倣――その本質と表象、変容と回帰』

韓 宇佳 大学院

研究の契機は、筆者が学部時代に制作した作品『不完全デザイン辞書』である。この作品では、模倣的なデザインの原理を探究し、それが「デザイン」と呼べるものかを問うた。研究を進める中で、あたかも「創造」の構造も同時に探究しているように感じた。

故に本研究の目的は、模倣の内包する概念を再考し整理することであり、模倣と創造の関係を論じることにある。

模倣とは、人々の生活や学習、創造を支える重要な能力・行為であり、その範囲は極めて広い。「模倣」を基盤として派生する言葉には、「学習」「コピー」「類似認知」「模造」「複製」などが含まれる。これらの言葉の異同は何か、またどのように分類できるのかについて探究する。本研究の第一部では、この問いを通じて模倣の特性およびその重要性を明らかにする。

次に、模倣に関する否定的なイメージは、主に産業革命以降に広がり、商業主義の興隆や植民地国家の成立、さらに著作権法の誕生と発展により強化されてきた経緯がある。「模倣」は創造性に欠ける行為としての否定的な印象が定着しているが、これは模倣への偏見といえるのではないだろうか。

本研究では、模倣を中立的な行為と捉え、認知と学習の手段として見直したとき、模倣がどのように学習の手段として積極的に活用できるかを考察する。

『模倣――その本質と表象、変容と回帰』
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