Illustration, Manga10号館311B教室

文字の物語

鎌形 春花 中野ゼミ

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文字の物語

鎌形 春花 中野ゼミ

昨年の秋、長崎の新町活版所跡を訪れたとき、日本の活字文化の始まりを実感し胸が熱くなりました。そして、自分が当たり前に使ってきた文字の歴史の繋がりを辿る中で、「弘道軒清朝体活字」と出会ったのです。 弘道軒清朝体活字は、明治初期に生まれた日本独自の楷書体活字であり、その独特な字形と時代背景から「明朝体唯一のライバル」とも評されます。この活字は、鋼鉄を直接彫る手法で製造され、その過程には製作者・神﨑正誼の想いと数々の苦労が凝縮されています。パンチ法で作られたこの文字は一見、異色の存在に見えるかもしれませんが、その起源を辿ると、日本の書道の流れと深く結びついていることがわかります。 文字は、人々の暮らしに寄り添い、日常の営みの中で書かれ、残され、形作られてきました。この漫画では、そんな文字が辿ってきた道を紐解きながら、人々の生活に根づいた「文字の物語」を描いています。普段、何気なく使う文字の背後に潜む歴史の繋がりや、そこに込められた想いが、伝わりますように。

文字の物語
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