Illustration10号館411教室

憧憬の世界

鳴島 日和 古堅ゼミ

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憧憬の世界

鳴島 日和 古堅ゼミ

ありのままの姿ではないものに対して、私は魅力を感じている。

私は初めに、「昭和レトロ」なものが好きという思いから、昭和レトロなモチーフへのリサーチを開始しました。 当時の流行や社会情勢を調べていく中で、実は自分が「昭和レトロ」に対して抱いている「好き」という気持ちは対象そのもの(=実像)に対してではなく、実際とは異なるイメージ(=虚像)に対してであったことに気が付きました。というのも、私が昭和レトロなものが好き、と思って見ていたものはネットや本などに載っていた当時の写真や映像であり、それらは年月の経過によって風化し、色褪せていたり、黄ばんであたたかみのある雰囲気になっていたり、ざらついた質感になっていたりなど、本来の姿からは変化した姿でした。つまり、私の「好き」は、対象そのものに対してではなく、実際とは異なったイメージに対して抱いていて、対象に「そうあって欲しい」と本能的に期待や憧れを抱いていたということに気が付いたのです。これが私の「好き」の本質であると感じたため、この「虚像への期待と憧れ」をテーマに制作することに決めました。

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