Animation10号館403・10号館109教室

ふるさとの記憶

近江谷 記子 寺山ゼミ

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ふるさとの記憶

近江谷 記子 寺山ゼミ

過去の記憶を忘れたくないという思いが、私の卒業制作の出発点だった。幼い頃の日記や写真から、記憶の断片を集めていく作業から制作が始まった。 私の幼少期はいつでもふるさとの自然に包まれていた。夏は赤トンボと畑のトマト、マリーゴールドの匂い、穏やかな風、それらの鮮やかな色彩が印象深く、冬の雪景色はどこまでも白く、静かに私を包み込んだ。あの場所にある全てが私をあたたかく迎え入れてくれた。私はそこで、のびのびと過ごした。 当時の記憶を探っていく中で、自分の頭の中にある時間軸がついた映像的なイメージをアニメーションとして形にし、残すことに意味があると考えた。 風景のイメージや、過去の感情といった個人的な事柄も、今振り返ってみると、そこには例えば、身近な父親や母親、祖母などの他者が関わっていた。 私はこれからも、もう元には戻らないあの時間に想いを馳せる。薄れていく、遠くにいく、だけど私の中にある、あの頃の記憶を大切に抱えて。

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