Writing, Installation8号館202・203教室

三十一音に「いま」を詰めて

川原 琴乃 古堅ゼミ

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三十一音に「いま」を詰めて

川原 琴乃 古堅ゼミ

大学四年間、辛い時もあった。苦しい時もあった。けれどただ「辛かった」とだけ言うにはあまりにも楽しく輝かしかった大学生活最後の年を、私は毎日記録していくことにした。 形式は短歌。一日一句、三十一音。一年で三百六十五句。 その日にどんなことが起こり、どんなことを思い、どんな言葉を口にしたのか。私の生活を織り成すささいな日常の一つ一つを拾って、短歌と数言の会話で記録する。そんな記録を集めて誰から見ても輝かしい一年を作り出した。辛いことや苦しいことも遠目から見れば光る青春の一部であるはずだという希望、そしてそういったこともいつかは笑って話せる愛しい記憶になりますようにという願いも込めて。 少し引いて全体の煌びやかさを楽しんでくれてもよく、一歩踏み込んで小さな喜びや微量の苦味を感じとるのもよい。 そうして私の大学生活に、或いは自分自身の大学生活に思いを馳せ、過ぎ去った時間を慈しんでくれる誰かがいれば幸いである。

三十一音に「いま」を詰めて三十一音に「いま」を詰めて
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