Painting10号館112教室

操られる蔓草、創られる美

蓮沼 美亜 古堅ゼミ

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操られる蔓草、創られる美

蓮沼 美亜 古堅ゼミ

本作品は、古くから美の象徴とされる唐草模様を幾何学的に解釈し、人為的な美の基準を探る試みです。 唐草模様は蔓草だけでなく、さまざまな植物が象徴的に取り入れられ、複雑に絡み合う曲線や構造の中に、黄金比や幾何学の美が潜んでいます。これを分析・抽出し、目には見えない物の「美」を表現しようとしています。 人が潜在的に感じる美しさは、文化的な刷り込みによっても形作られており、この作品では作者の中の美の基準を元にしたコントラストや色彩で可視化します。また、花言葉で選ばれた花々が作品内に配置され、それぞれが異なる意味や感情を視覚化する役割を果たし、見えない想いを支える要素として機能しています。操られた人工的で計算された模様でありながら、あえて手書きで描くことによって生まれる有機的な揺らぎが、機械的な美に温かみを加え、人間的な感性を感じさせます。自然と人工、計算と感性が交錯するこの作品を通じて、美しさとは何なのかを考えるきっかけにしてほしい。

操られる蔓草、創られる美
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