Movie, Installation, Textile design10号館409教室

海を描く

大杉 美奈 白井ゼミ

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海を描く

大杉 美奈 白井ゼミ

吉祥紋様の洗練されたデザインに魅入られた。単純な線で構成され、どこまでも続くパターンは、はるか昔から現在に至るまで姿を変えることなく愛されている。

無病息災、円満、子孫繁栄、立身出世……。吉祥と名の付くとおり、幸せな将来を願って使用される紋様である。それらの願いは、すくすくと育つ麻の葉や、まっすぐ飛んでいく矢といった、様々なモチーフになぞらえられ紋様としてデザインされている。そして、願いが込められた紋様は、衣服や食器、内装などに使用され、暮らしの中に溶け込み、人間のすぐ側にあった。

数ある吉祥文様の中で私は、海をモチーフとした青海波に着目した。青海波には「穏やかな日常がずっと続きますように」との願いが込められている。しかし、海はいつでも青く穏やかな訳ではない。空を写し、風を形取り、地面の揺れをも映し出す、自然の脅威も美しさも兼ね備えた海。吉祥な海も、そうでない海も、紋様として描くことを模索する。

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