Graphic design, Writing, Paper craft10号館409教室

日本の美意識と造形性

矢島 美雨 白井ゼミ

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日本の美意識と造形性

矢島 美雨 白井ゼミ

近所に神社仏閣があり、少し歩けば平城京の跡地がある。私が小学校高学年まで過ごしたのはそういう場所だった。古都奈良で幼少期を過ごし、東京に来て美術館に通うようになり、大学で学ぶうちに日本の美術、その中でも装飾文様に興味を持った。

日本人は、古来より季節の移り変わりによる豊かな自然の風景やそれを描いた和歌や物語を視覚化してきた。その造形性や美意識、自分の過去の作品を辿っていくうちに、紋切形に辿り着いた。紋切形とは、着物に紋を描き入れる際に使用する型紙で、紙を折って、切って、開いて作られる。規則的でありつつも、折りによる少しのずれがあたたかみのある形態を生み出していた。それは小中学生の頃、夢中になって作っていた切り紙とよく似ている。

卒業制作として、日本の美意識と向き合った記録をまとめた本、紋切形による装飾文様を制作した。紙の折り目によって生まれる仄かな立体性と簡略化された形態は、対象となったモチーフと装飾文様のちょうど中間にあると、私は思う。

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