Illustration, Manga9号館地下展示室

鬼胎

土屋 七璃海 中野ゼミ

Illustration, Manga9号館地下展示室

鬼胎

土屋 七璃海 中野ゼミ

ほとんどの人々にとって、普遍的であり、精神の深部に根ざしている「恐怖」という感情。人類が文明を築く以前から現在に至るまで、風土や、情勢、人々の心理の働きに合わせて進化し、共に変遷の道を歩んできた。本能に訴えかける根源的な恐怖はもちろん、人間ならではの想像力の先にある恐怖や、強迫観念が引き起こす特殊性の高い恐怖など、その種類に限りはない。長い歴史の中で、私たち人間自身が恐怖を多様な姿へと育ててきたのだ。 科学が発展した現代においても、未だ恐怖の感情が消えることはなく、エンターテイメント作品ではホラージャンルは一定の人気を維持しており、新たな恐怖表現が生み出され続けている。 しかし、それぞれの恐怖の発生条件について分析を重ねると、あらゆる事例には、いくつかの共通する基本的な構造が見えてくる。複数ある構造の中から、特に自分自身が実感を持って恐怖を感じられるものを取り上げ、それぞれの特徴を可能な限り引き出す形式に落とし込むことを試みる。

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