Painting, Installation10号館412・413教室

輪郭のない場所

富岡 環 後藤ゼミ

Painting, Installation10号館412・413教室

輪郭のない場所

富岡 環 後藤ゼミ

私は「本当」をテーマに進めてきた。世間一般に言う「本当」とは違う意味で使っている。 作品や人、風景や瞬間など様々なことの中で出会うことができるものだ。 それらの出会いについて考察した結果、第三者視点が限りなく存在しない、自分とその人、空間、物体とだけが向かい合っていて、誰にも解釈することができないものとの出会いだったのだと気づいた。 その中でもとりわけ人との関わりにおける「本当」を大事にしていることに気づき、人と「本当」に出会う瞬間のことを忘れたくない、それを空間で表現していくという方向性に至った。 人と本当に出会うというのは、輪郭がお互いにない状態で誰かと対峙すること。誰かと普段行かないような遠い場所に行って、あるいはいつも行くお馴染みの場所に座って色々な話をして、もう何も喋ることが無くなり無言になってしまっても、その場にいて対話していた人達が何となく今の状態が心地いいと感じている。そしてそれが言葉を介さず分かる瞬間の事だ。

輪郭のない場所輪郭のない場所輪郭のない場所
一覧に戻る

学生作品一覧