Book design, Installation10号館308B教室

装飾の食卓

李 瑶佳 白井ゼミ

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装飾の食卓

李 瑶佳 白井ゼミ

人はなぜ装飾をするのだろうか。

この疑問から私の卒業制作は始まった。私は装飾が好きだ。美しいものがあると心が豊かに感じて嬉しくなる。しかし、同時に無駄だとも思う自分がいる。なぜ人は手間暇をかけて装飾を作り、生活を彩るのか。その理由を考えたかった。

母は編み物が趣味で、座っているときは常に何かを編んでいる。昔から我が家ではかぎ針で編んだクロッシェレースのドイリーで溢れていて、私はそれを見ながら育った。そのため、私にとっての装飾の始まりは母が編むレースだった。レース編みはヨーロッパから始まり、自然の造形を一本の糸から編み目へと表現している。装飾の多くは花や葉などの植物の造形をモチーフに、自然を再現して生活空間を彩ってきた。

つまり、装飾で生活を彩ることは、自然で生活を彩ることであり、装飾で生活を彩ろうと思うことは、花瓶に花を生けて部屋に置こうと思うことと同じ心の動きなのだ。そこで、人の生活空間の代名詞としての食卓を、自然を表現した装飾であるレースで再現し、自然を生活空間に取り入れることが人が持つ心の追求であることを表現した。装飾が人が自然を求める心の動きの現れであることを考えるきっかけになったら幸いだ。

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