フューチャー・トレンド(2年生-後期)

授業概要]
このクラスでは、新しいトレンドを見て、デザインの未来を描く。
- デザイン&先端技術
- デザイン&他分野との連携
- デザイン&シェアリングエコノミーサービス
に焦点を当て、調査とクラスディスカッションを通じて、問題提起を考え、体験を記述し、デザインすることを学ぶ。

形態 – 種別] 実技 – 選択授業

写真演習(2年生選択-後期)

先生からの授業説明]
携帯電話のカメラやコンパクトデジカメで、誰もが気軽に写真を撮れる時代で す。シャッターさえ押せば、大きな失敗はなく何かが写りますが、基本を学ぶ ことで、表現の幅が格段に広がります。デジタル加工が簡単にできる今、写真 の本質を改めて考え、撮影技術、暗室実習、スタジオ実習等、広範囲に写真に ついて学びます。
* カメラについては、どのようなカメラでもかまわないので、各自準備すること。3年次前期、視覚伝達デザイン表現演習(写真)」の選択を考慮している人は、可能な限り履修してほしい。
(宇井眞紀子-非常勤講師)

形態 – 種別] 実技 – 選択授業

授業概要]
写真が誕生してから150年余、写真はフィルム(銀塩)の時代からデジタルの時代へと進化し、最近ではカメラも一眼レフデジタルカメラからコンパクトデジタルカメラ、さらには携帯電話に内蔵されたカメラに至るまで多岐にわたり、いつでもどこでも撮りたいときに写真が撮れる時代に変化しています。そしてデジタル化の波は写真に限らず、印刷や様々なメディアにも波及し、今後ますます進化することが予想されます。そんな中で自己表現やコミュニケーションツールとしての「写真、グラフィックデザインにとっての「写真」とは何か、何を知り何を学べばいいのか?
この授業では写真というメディアが多様化する中で、旧来までの銀塩写真とデジタル写真の基礎を学ぶことで、それぞれの違いを認識し、写真の本質に少しでも近づける写真技術の習得を目指します。具体的には2種類の課題を出題し、個々の作品を講評する過程で様々なアドバイスを含めマンツーマンでのコミュニケーションを展開、より具体的な写真への興味や技術の向上を訴求します。そして基本的な概念と基本技術、さらにはデジタル写真ならではの画像表現やコンピュータ上での画像修正などを学ぶことで、個々人の作品作りのブラッシュアップにもつながると考えます。
また技術習得の過程で、写真の持つ多様性や面白さや難しさを知ってもらうことを念頭に、授業を進めていきたいと考えています。内容としては、フィルム(銀塩)写真とデジタル写真に関するいろいろな用語、カメラ、レンズ、フィルム、メディアといった撮影に不可欠な用具の説明。さらに基本的な撮影技術、ライティング、暗室実習、複写、スタジオ実習等を広範囲に知ることで、デザインワークへのアプローチとなる技術的なフォローやフレキシブルな写真表現をさまざまな角度から学んでいただきたい。
*カメラについては、どのようなカメラでもかまわないので、各自準備すること。
3年次前期、視覚伝達デザイン表現演習(写真)」の選択を考慮している人は、可能な限り履修してほしい。

視覚表現演習F(2年生選択-後期)

授業概要]
「カラーアトラス・色彩図鑑」を完成させることが授業の最終目的になる。この課題は、身の周りに潜む様々な色彩を、自身の方法と技法によって記録し、紙上に再構築する試みと言える。その制作プロセスには、色を題材とした造形の問題、色がどのように見えるかを題材とした知覚の問題、見えているものが何を表しているかを題材とした意味の問題がある。そして、これらの問題を統合し、紙というメディアによって見て触れられる作品にすることが、本授業におけるヴィジュアルコミュニケーションデザインの課題と言える。
授業では、表現形式から作品を考えるのではなく、制作プロセスから表現形式と作品形態を考えていくので、チャートや色見本的な表現はもちろん、色彩を利用した視覚的なストーリー、絵、地図、ダイアグラムなどの表現も射程に入れている。作品を制作するにあたっては、色そのものをモチーフにしても、具体的な物や現象をモチーフにしても良いが、モチーフと徹底的に向き合うことで、色彩に対する自身の考えと制作プロセスを構築することを重視する。自ら体験、観察、記録、制作することから色彩に対する考え、言い換えれば作品のアイディアを探していき、紙の作品として完成させていく。作品は本、立体、平面などが考えられるが、紙を重ねること、並べること、紙とのインタラクションを考えることから作品の形態を探していく。
「カラーアトラス・色彩図鑑」を作品として完成させるには、色を見定める眼と、コントロールする手と、それを分析する思考が必要になってくる。色を見定め、コントロールする力をより豊かにするためには、手作業によるスタディが欠かせない。このため授業では「カラーアトラス・色彩図鑑」の制作と並行して、絵具による色のスタディとプログラムによる造形のスタディを行う。またプログラムは、より原理的な思考から制作する必要があるため、コンピュータ・モニターにとっての手作業(思考)と位置づけている。絵具によるスタディとプログラムによるスタディを通して、眼と手と思考を連動させ作品制作より豊かにしていく。
継続的なスタディを通して色の微妙な違いを見極め、自らの基準によってコントロール出来るようになることは、日常での小さな発見を作品として完成させるための大きな力になると考えている。

形態 – 種別] 実技 – 選択授業

視覚表現演習E(2年生選択-後期)

授業概要]
この授業における昔話・物語の視覚化とは、昔話・物語を構成している言葉から、視覚化が可能な言葉を探し出し、昔話・物語を視覚造形操作によって再構成する試みである。昔話・物語の視覚化を、短絡的に個人的な感覚の表出としての表現に落とし込むのではなく、デザインの文脈に乗せることに重点を置く。主題となる昔話・物語の読み込みから始め、言葉が誘発するイメージを確かな形へ変換する為の様々な造形操作の開発を行い、書物の形態へと導く。よってこの授業の中心的課題は、ヴィジュアルコミュニケーションを成立させている、具体的な事象の視覚化から、抽象的な概念の視覚化までを視野に入れた、言葉と視覚言語(形、色彩、文字、書体、図像、イラストレーション、地図、ピクトグラム、ダイアグラム、写真など)との関係性についての基礎的な視覚造形操作の方法を学ぶことに有る。
  また一方で、視覚造形操作の表現を支える為には、どうしても良質な視感覚が必要とされる。その為に、色彩をテーマにした基礎造形のプログラムを課す。このプログラムでは、絵の具による色の厳密な調合から始め、幾つかの演習を通して自身の色彩感覚領域の拡大を目指す。このことは作品制作における自身の拘りを実現する為にどうしても必要とされるプロセスである。画材(絵の具)を通した色彩を追求することで、他のメディ(モニターと印刷など)へ展開する為の基準作りともなる。またこのクラスで扱う色彩とは、有彩色を用いたスタディと、活字によって組み上げられた言葉が作り出す濃度変化、タイポグラフィにおけるカラーコントロールを含む。

形態 – 種別] 実技 – 選択授業

視覚表現演習D(2年生選択-後期)

先生からの授業説明]
言語伝達デザインにとって必須となる文字組版の基礎を学び、その上でデザインと編集の双方を統合した冊子の作成が課題となる。テーマ設定、対象へのアプローチ(観察、分析、研究、執筆、編集)と同時に、構造設計(グリッドシステム)の作成・活用方法を体得し、組版とビジュアルの関係を視感覚によって制御するデザインを演習を通して学ぶ。
(白井敬尚 教授)

形態 – 種別] 実技 – 選択授業

授業概要]
授業の具体的な内容は以下のとおりである。
デザインのテーマは「武蔵野美術大学の植物/植生。表現媒体は「ページ展開を伴う印刷物」とする。

授業の進行
第 1 は
「ページ展開する印刷物」の内容を構造化するためのフォーマットとしてのグリッドの計画と制作である。グリッドとは内容から導き出される基準であり、コンポジションのために用いられる。グリッドは、紙面を構成する視覚要素の相互関係によって成立しており、単位としての文字の問題」関係としての組の問題」構造としてエディトリアルデザインの問題」と捉えることが出来る。
独自のグリッドは、独自の問題発見とその内容把握から計画され、生み出されるものだ。それゆえにグリッドの制作に当たっては、内容に対する深い理解が前提となる。
第 2 は
グリッドを生成するための内容把握として、武蔵美の植生」の図像生成の計画と制作を行う。ここで言う図像生成とは、自分と自分が見つめる対象との関係を視覚化することである。まず対象を丁寧に見つめ、様々な方法で記述することから始める。次にその見つめているものと自分との関係を少しずつ変化させてみる。それは視線の移動といったごく当たり前のことから始まるが、その変化の過程に独自の図像生成の視点を見いだすことができるだろう。
第 3 は
ページ展開における編集とデザインの関係である。ページ展開する印刷物」の原点は、その構造からみると「綴じる・めくる」という行為に集約される。このことをふまえて、このクラスでは、ページ展開を伴う印刷物のデザインにおいて、見開き単位のデザインからの脱却を意図し、一冊のまとまりとしての印刷物の可能性を、内容との関係を考慮しながら探ることとなる。
芸術祭までの 5週間、新島は「視感覚の拡大」デザインフォーマット」図像生成の計画」を中心とした授業を、白井はページ展開する印刷物の基準となるグリッドシステムの理解と実制作を中心とした授業を行う。芸術祭以降は、両クラスとも上記の 3つの中心課題の具体化に向けた授業内容となる。