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ねこ神様―ねこと人類と神話―

黒岩 祐

イラストレーション、ブックデザイン
8号館 204

誰もが「何故世界が存在するのか?」「何故人間は生まれたのか?」「何故ねこは可愛いのか?」「本当に神は実在するのか?」と一度でも疑問に思ったことはあるだろう。世界には様々な神がいる。日本の八百万の神、ギリシャのオリュンポス12神、エジプト九柱神などといった神々が存在し場所や時代ごとに神話の特徴がある。しかしこれらの有名な神話は後から作られたものに過ぎない。何故なら人間が文字を発明し記録できるようになる前から存在する神話があるからだ。それが本作『ねこ神様―ねこと人類と神話―』である。全ては『ねこ神様』が混沌の中から生まれたことから始まる。ねこ神様が世界を創造し、自分に似た姿のねこを創った。そして人間を創ったのだ。『ねこ神様』は万物の神でありねこではない。あくまでもねこが神なのではなく『ねこ神様』という神であられるのだ。『ねこ神様』は自分の創作物であるねこを非常に気に入り、ねこを絶滅させない為に奴隷として人間を創った。そのため人間にはDNAレベルでねこを愛でるようにプログラムされている。ねこ神様の望みはただ一つ「ねこが住み良い環境を保つこと」である。現在当たり前となっている感覚は全てはねこ神様が関わったことによるものであり、既存の神話の手法を研究し用いて新たな神話として制作した。本作は、ねこ神様の誕生から始まる天地創造の物語「ねこ神様の神話」、ねこ神様の廃棄物から誕生しねこと人類に様々な悪影響を及ぼした星神の物語「星神の神話」、現代の不思議な現象は全てねこ妖怪が引き起こしていることを記した図鑑「ねこ妖怪図鑑」の3部に分かれている。ちなみにこのねこ神様神話はねこしか知らない神話である。現在一部の人間だけに存在を知られているのは、あるねこが猫又となり人間に干渉できたことによって口伝されたからだ。この経緯が気になる方は是非お手に取って読んでいただきたい。

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