この度、卒業制作で笑いを題材にしたのは、言うまでもなく私がお笑いを好きだからだが、これには少し抵抗があった。なぜなら、お笑いを作っている人は、分析的にお笑いを見て欲しくないだろうと思うからだ。しかし、私にはデザインを通してお笑いに関わりたいという夢がある。そのためには、一度お笑いに対して深く向き合う必要があった。
また、お笑いライブなどを普段から見ていて思うことがある。それは、全く有名ではない芸人のネタも相当面白いということだ。日本における「漫才」や「コント」のフォーマットは、レベルが上がりすぎてくるところまできていると感じる。お笑いをメタ的に見た際に見えてくる笑いを生む構造とは何なのか。それを、自分の学んできた視覚表現に置き換えることはできるのか。この二つをテーマに今作品に取り組んだ。