in action

イメージと色の関係性

芹澤 愛枝

インタラクション
8号館 206B

イメージと色の密接な関係は日常生活のあらゆるシーンに潜んでいる。わたし達はあまりにも自然にそれらを使いこなすため、ふたつの間にある結び付きに気がつくことがない。この作品は、わたし達の体に染み込んでいる自然な思考、あるいは直感的とも言える、モノとモノとを繋ぐ力を探る装置である。
例えば、大人っぽい色を想像してほしい。今あなたが思い浮かべた色には大人っぽいというイメージが紐付けられている。では、なぜその色が浮かんできたのだろうか。
わたしの研究では、イメージが色へと辿り着く間に、そのイメージに関する具象物が存在しているという結論に至った。今あなたが思い浮かべた色を紐解いてみると、そこにはイメージの元となるモノが存在している。それは濃い口紅かもしれないし、ゴールドのアクセサリーかもしれないし、繁華街のネオンや、もっともっと別の何かかもしれない。あるイメージに対して別の二人がまったく同じ色を答えることがないように、そこに正解はなく、各々の人生経験を通し、様々な途中過程を経てイメージは色へと結びつくのである。
イメージと具象物と色。この三要素の繋がりは、実は、一方通行ではない。上記ではイメージから具象物、具象物から色、という流れを見せたが、わたし達の思考はこの限りでない。例えば、具象物から始まり、それが色になり、最後にイメージへと辿り着くという道順も考えられる。三要素のどこをスタートにしても、わたし達の思考の結び付きを知ることができる。
この作品では三要素を自分一人で担うのではなく、一人が一要素だけを入力し、それをリレー形式で繋げていく。誰もが道順の始めにも、繋ぎにも、帰結にも成り得る。ぜひ、自己の中にあるミクロの思考の繋がりと、リレーの中で生まれるマクロの思考の繋がりを楽しんでもらいたい。

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