“氷かむ君のうしろの窓四角カラス横切る八月早朝 /ねむねむ”
この歌を読んだとき、人は何をイメージするだろうか。
氷の冷たさ、窓から見える空の青、カラスの黒、早朝の涼しい空気、君はどんな人だろうか。
短歌とは物語だ。たった31文字で様々な情景を思い起こさせる。
本作品ではさらに、短歌に写真というビジュアルの要素を付け加えた。
するとどうだろう、さっきまで頭の中にあった物語が一気に色を変えて見えはしないか。
この作品の一冊目は、読者に自ら、写真によって変わる短歌の物語を体験してもらうためのものだ。
そして二冊目は、作者自身がイメージした物語を文章に起こしたものだ。
写真によって、人によって変わる短歌の物語の世界を、ぜひ楽しんでほしい。