手元の画面には、数多なる情報と思考とが凝縮される時代になった。昨今のSNSの普及と発達に伴い、その数は膨れ上がり、情報の取捨選択と向き合い方が使い手に試されているようにも思える。
記憶に新しいコロナ禍では、上記のようなメディアとの関わり方に悩む人も多く存在したのではないだろうか。私自身、1体験者としてコロナ禍での炎上事例を集団心理学やネット心理学といった観点から分析するリサーチを重ねてきた。その中で、炎上1つ1つに異なるプロセスがあることに気づき、人々の心理と行動、そして炎上のメカニズムは、普段からよく目にするモノの本質とイメージや構造が類似していることに気がついた。
本作では、コロナ禍での炎上事例や人々の心理と行動を身近なモノに置き換えて表現することで、情動の塊である炎上のメカニズムを無機質に、そしてクリーンに表現した。あの時のあなたの心理と行動は、私の作品のどの部分に属するのだろうか。