in action

(不)自由を踊る

鍋田 瑞歩

ダイアグラム、ブックデザイン、映像
10号館 310

体の扱いが不得手だというコンプレックスから、この4年間は身体に関わる様々な文化・技法に実践を通して触れ、自分の体と心の関係や世界の身体観について関心を抱いてきた。「からだへの当たり前」を取っ払っていく過程に面白さを感じた私は、卒業制作ではその「当たり前」の根底にあるものは何かをひたすら探究することとした。
ドイツの版画家ゲルト・アルンツへの興味をきっかけにドイツのことを調べていくと、近代体操のルーツやリトミック、表現舞踊、それらとナチスの接続など、身体にまつわる事象から近代ドイツの身体観が浮かび上がり、そこに今のわれわれの「当たり前」の元になるものがあるのではないかということに辿り着いた。事実の関係性の中にモダニズムのダンスの全貌が見えてくるよう、ダイアグラムと本、映像を制作した。
世界的に精神や肉体への制約が増えた現代において、私たちの自由と不自由とは一体なんなのだろうか。社会的な身体、自分の身体について思いを巡らせることができる作品にできていれば嬉しい。

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