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鏡花を読む

大草 麻由子

ブックデザイン、グラフィック、イラストレーション
8号館 202

あなたは泉鏡花という作家のことをどれくらい知っているだろうか。国語の授業で名前を聞いたことはあっても、作品を読んだことはあるだろうか。「昔の作家だし、なんだか難しそうだし、よくわからない」と思っている人にこそ、この本を手に取ってほしい。
鏡花の文章はたしかに難しい。特に現代を生きる私たちにはなじみのない言葉も多く登場する。しかし、それで読まないにはあまりにも惜しい、美しい世界がそこにはある。そして、今も色あせない面白さ、今の私たちが読むからこそ生まれる解釈こそが、鏡花作品の魅力だ。
本書は、短編集、中編小説、戯曲の3部構成になっている。挿絵、写真から漫画まで、それぞれの作品の雰囲気や形態に合わせた表現手法で、作品の世界を表現した。文章の難しさというハードルをできる限り低くし、気軽に鏡花作品に触れてもらう。そして、現代の私から見た鏡花作品の魅力を交えつつ、手に取った人が楽しめる本を目指した。
本書を通して、泉鏡花の作品に親しみ、その面白さを知る人が増えれば、これ以上に嬉しいことはない。

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