自分の好きなものを卒業制作のテーマにしたいと思い、もともと好きであった「ファッション誌」を取り上げた。
1900年代の海外のファッション誌ビジュアルが好きで、そこから調べを始めた。なぜ現代の雑誌ではなく、1900年代の雑誌が好きなのかを考えた結果、“美しさ”の壁とぶつかった。今の雑誌と比べてみたり、周りにいる人の“美しさ”の概念を聞いてみたり。そこからたどり着いた答えは、顔の美醜だけではなく、人の身体、顔や肌の色をただの構成要素として捉え、様々な想像を膨らませること、様々な考え方ができることが私の中の美しさの概念だと気が付いた。美しさとは、想像し、考えることだ。私は、私の“美しさ”の定義を表現するため、雑誌の歴史やデザイナー、写真家を調べた。雑誌を超えての影響の流れや時代の流行りが浮き彫りとなる。雑誌、デザイナー、写真家を年表に起こしてみたり、当時の雑誌のグリッドシステムを解剖、印象的なデザイナーや写真家を自分の視点を踏まえ、まとめ編集。制作したビジュアル、文章を力強く見せたいと思い、見開きA0サイズの大きな冊子にまとめた。様々な角度から雑誌を考察した私の作品を目にした人が様々な美しさを見つけ、美しさを想像し、考えてもらう機会になってほしい。