新しい読書の方法を提供するツール「カタリテ」は、文章を読者が選んで読むことで同じ話から様々な物語を作る。
読者は各場面の文章ピースを見た目と直感で選び、ピースの裏に書かれた文章を読み、物語ボードにピースを貼っていくことでお話を読み進める。 第一に制作した「アリとキリギリス」では、アリの視点をもとに物語が進んでいくが、各場面におけるアリの視点から生まれる文章は様々であり、選んだチップが貯まっていくことでその時々の物語の感じ方に差異が生じていく。それにより一人一人の物語体験が完成される仕組みになっている。
制作のきっかけは、私がTRPG、マーダーミステリーといったプレイ毎に人によって異なる物語体験ができるゲームにハマったことから。物語に対して読者・体験側が積極的に介入し、 高い共感性を持って読むことは、物語への没入感をさらに高める。上記のゲームの場合、初見ではルールが難しくゲームの進行役を必要するため、それらを無くした物語体験ツールの開発を目指した。