in action

私たちの周りは常に膨大な量の情報で溢れている。そうした環境で生活する中で多くの情報が流れてくることに慣れ、自ら積極的に情報を追うことをしなくなっているのではないだろうか。例えば、ぼんやりSNSを眺めているときに綺麗な風景写真が目に入ったとしても１～2秒、綺麗だなと思うくらいで次の情報へと目を移してしまう。そのうち風景写真のことすら忘れてしまっている。
しかし、ふと道端の花が目に入った時、思いがけずその風景写真のことを思い出すことがある。この花と風景写真そのものには何の関わりもないが、見た者にとっては確かにその花と意識の外側に記憶された風景写真は記憶を介した関わりが生じているのだ。そこで改めてその場所はどこなのだろうと調べることで新たな発見を生み出す。
この作品はそうした「全く別の物体が個人の持つ記憶によって繋がりを持つ」という部分に注目したものである。この作品がそれぞれの身近な発見をするきっかけとなれば嬉しい。