in action

しかけ絵本三部作

中村 百花

グラフィック、ブックデザイン
10号館 312

遊園地の遊具・ドラマのセット(パーティ/女の子の部屋)・お菓子・服飾・ピエロ・民族衣装・昭和のアイドル・シャンパンタワー・アドバルーン・クラブの内装・映画(SF/ファンタジー/CG)・ステージのセット(EDMフェス)。 魅力的だと感じたものを何年もかけて集めた資料用カメラロールはこれらの鮮やかで華やかでど派手でそれでいてどこか仄暗く儚いもので埋め尽くされていた。この大量の画像を組み合わせて独自の空想の世界観を生み出ししかけ絵本で表現した。 しかけ絵本を現実と空想の最適な橋渡し役として選んだのには以下の2点の理由がある。 1点目は、絵本のようにただ目をみはりながら見ているだけではなく、その魔法の実現に自分の手で参加できる点である。 2点目は、ページをめくる行為に加えて、立体構造が立ち上がる驚きやつまみを引っ張ったり回したりすることにより絵が変わる不思議な時間と空間が感じられる視覚表現メディアである点である。 作品は、「動物たちの煌びやかなサーカス」・「泡になって消えゆく海の王国」・「造形豊かな花々の遊園地」これらの3つの世界観を表現した、各10ページずつ全30ページの3部作のしかけ絵本になっている。それぞれ、広がりや立ち上がりが大きいしけけ・光や艶が映えるしかけ・動きが楽しいしかけを魅せることにこだわった。文章はないが順番にページを開いていくことで読み手がものがたりを感じるような本になっている。

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