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習作/萌え擬人化

大久保 愛裕

イラストレーション
ゼロスペース

私は擬人化が好きだ。特に、「人間以外の生物や無生物をより人間に近い姿にした」作品を好み、自らも作成したことがある。以下、本来の「擬人化」である「非人間に人間の特徴を加えた」作品と区別するため、「萌え擬人化」と称する。
そもそも、擬人化というものは修辞技法(レトリック)のひとつであり、様々な目的や効果がある。“萌え擬人化”は「本来、敬遠しがち或いは無関心なコトやモノに一種の親しみを持たせる」という目的・効果があると言うことができ、私がそのジャンルにハマった理由でもある。私が今までに拝見してきた中で特に好んで見る“萌え擬人化”作品には「イラストやキャラクターデザイン、ストーリー等が好み」「擬人化の対象となったコト・モノの要素がキャラクターそのものや関係性にほどよく反映されている」「考察・想像の余地があることで対象を調べるきっかけとなり、結果的に対象について詳しくなる」という特徴があった。作品として世界観などを楽しめるだけでなく、いわゆる元ネタについても興味を持ち、そこからさらに知見が広がる、という一石二鳥のジャンルだ。そしてそれは、実在の人間にも応用できるのではないかと考えたことが、卒業制作のきっかけである。

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