in action

BY THE ACTIVITIES

_Homo sapiens_

桐原 実来

立体、インスタレーション
10号館 311

この世界には多種多様な生物が溢れている。私は「生物の始まりは海の中の小さな単細胞生物であり、そこから様々に進化を遂げた。」という説に基づき、とある疑問を抱き続けている。「私とコバエは、私と雑草は、どうしてこんなにも違うのだろう。 私たち人間は、なぜ存在するのだろう。」 考えれば考えるほど、神秘的で魅惑的なこの疑問が、私は大好きである。 そして学生の集大成に、この疑問に触れたいと思った。


人間の進化を辿ると、我々は脳を著しく発達させた「考える」生き物であるという事がよくわかった。そしてその高度な脳の働きによって地球環境や他の生物に多大な影響を与えている。

その「多大な影響」なるものを我々は「環境問題」と認識しているが、それは我々人間のエゴである。「環境問題」は人間の存在により初めて認識されるのだ。

しかしこれらを地球観点に置き換えると、環境問題とは人間という一生物が、種を繁栄させるために行う本能的活動により引き起こされた現象であると捉えられる。更に、我々人間が進化の過程で「脳」を武器にした生き物である以上、生きていくためにはその脳を使い「生きる」について「考える」べきであると考えた。


私の作品は、人間という生物が生きることで引き起こされる現象を、ただ美術として提示する。


地球環境の現状を美術として目の当たりにした時に、あなたは何を考えるのか。その内容に私は正解を求めない。あなたが地球上に生きている一生物「人間」として、その頭を使い考えてもらうこと。それこそが私の狙いである。この作品の根本には、想像力が働く楽しさ、考える事の奥深さを共有したいという思いが込められている。 また自分としても、己の価値観を客観的に再認識し、人間という生命体としてどのように地球上に或るべきなのかをよく考える良い機会となった。
私の作品により情報が視覚伝達され、あなたの知力を引き出す事ができれば、私は嬉しい。

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